かごしま環境未来館
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更新日:2023年10月18日
鹿児島市の玉江橋付近。干潟が広がるこの場所には、絶滅危惧種であるハクセンシオマネキがたくさんすむといわれています。
ハクセンシオマネキとは、カニの一種で、オスの片方のハサミがもう一方に比べてとても大きいのが特徴です。オスがその大きなハサミを振り上げて求愛する様子が、潮を招いているように見えることから、シオマネキの名前がついたそうです。
じっと息をひそめて、干潟の泥の表面を見つめていると…
出てきました!ハクセンシオマネキのオスが穴から横歩きで現れました。
観察している私がすこしでも動くと、すばしっこく巣穴へ戻ってしまいます。
辛抱強く眺めていると、ふたたび穴から姿を現します。たくさんの穴から次々にハクセンシオマネキが姿を現し、近づいたオス同士はケンカしているように見えました。
負けたオスは巣穴へ戻っていきました。
ここ玉江橋付近の干潟は、他の場所に比べて、ハクセンシオマネキの生息数も多く、個体も大きくて立派です。
気がついたでしょうか?玉江橋とその周りの護岸ブロックが、コンクリート製ではなく、昔ながらの石づくりであることに。
1993年の水害のあと、貴重な文化遺産として現在の場所へ移設・復元された玉江橋ですが、橋とその周りが石積みであることが、ハクセンシオマネキをはじめとする生き物がこの辺りに豊かに生息している1つの要因ではないかともいわれているそうです。
現在、干拓や環境汚染などが原因で、ハクセンシオマネキの生息地が激減しているとのこと。身近にある豊かな環境をいつまでも守っていきたいものです。